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「ん? 学力向上をイジメとか言えるほどお前は頭が悪かったのか?」
「その質問はどっちを答えても俺は貶められないっ?!」
バカ恢のツッコミに、クラス中が爆笑。
その横でひっそりと笑っていた妖さんを見て、私はなんとも言えない気分になった。
「はいはい、ぐだぐだ文句言ってる暇があったら少しは賢くなろうとする姿勢ぐらいは俺に見せろや夜諭間」
「うぐ……わ、わかりました。そのかわり、笑ったら読むの止めますからね」
「それは、保証出来んな。それに俺が笑わんでも、みんなが笑うかもしれないだろ?」
「やっぱりイジメじゃんっ!!」
「気のせいだ。さっさと読め」
まだブツブツと何か文句を言っていたけど、恢はその隣にいる妖さんに何かを言われてから漢文を朗読し始める。
言葉がつっかえたり、読みを間違えてたりするたびにクラスからはクスクスと笑い声が響いて、その都度、恢は妖さんと何か言葉を交わした。
それを見る毎に、私の拳は血色を無くしていく。
……なんで私、こんなに苛ついてんだろ?
ま、いいや。
後でバカ恢をイジメたら、多分スッキリするだろうし。
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