鬼と狐の狂乱激舞

2/7
前へ
/47ページ
次へ
 どうも、二時間目の国語で先生とクラスメートからイジメを受けた夜諭間 恢です。  ほんと、なんか、あれは何だったんだろう?  妖さんが居なかったら凄まじい恥を晒すことになったぞ、今頃。  いつもの国語は適当に分かってるフリをして誤魔化して来たのに、なんで今日に限って集中砲火??  おかげで妖さんにはすっごい迷惑かけちゃったし、絶対呆れられちゃっただろうなぁ……。 「はい、では、社会の、時間、です。教科書を、開いて、下さい」  ……そう言えば、社会の先生ってすっごいぶつ切りな喋り方するだよなぁ。  姿も人間の形はしているものの、なんだか黒ずんだ霞が掛かってるし、かなり怪しい人だ。 「……あの、恢、くん? あの先生……」 「あ、ああ、元辞先生っていって、すごく怪しい人だけど、優しい人だよ。……授業の方は、アレだけど」  不安そうな妖さんに、俺は出来るだけ安心させるように説明する。  最後の方は若干誤魔化したけど、それでも妖さんの表情からは明るいモノが戻ってきた。 「……うん、みたいだね」  優しく微笑む妖さん。  ああ、隣に座れてよかった、俺。
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!

103人が本棚に入れています
本棚に追加