103人が本棚に入れています
本棚に追加
「私が恢のことをどう呼ぼうと、お前には関係ない!」
グーにした両手を下に向けてそう吠える鳴。
あー、あのポーズはヤバい。
前に何かをからかいすぎた時にあのポーズした後、公園を一つ消滅させちまったんだよなぁ……。
頭には既に鬼の象徴の角が生えてきてるし、その角に高電圧が溜まってんのか、目に痛い不規則な閃光は明らかにヤバい。
でも、それを見ても、
「いいえ、止めて下さい。恢くんを、見下さないで下さい」
妖さんは力強い声色でそう言い放ってくれた。
ああ、なんて嬉しいことを言ってくれるんだ妖さんは!
でも、言葉なんかで引き下がる鳴じゃない。
それが分かっているからか、妖さんはそれ以上は何も言わずに、全身から狐火を纏い手のひらにその炎を集め始めた。
……ま、まさか、学園最強と喧嘩するつもりなの妖さん?!
しかも俺の為に!?
てか、狐火って癒やしの力だけじゃないの?!
でもこの状況でそれはヤバいから早く撤回してくれ!
と、色々な疑問や制止を俺が叫ぼうとした瞬間、教室内で凄まじい爆音が轟いた。
「“雷撃”!」
「“狐火”!」
遅れて、二人の少女の声が響く。
最初のコメントを投稿しよう!