夢うつつ

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『此処で、俺が呑みたいと思ったから、だ。わりぃか?』 底意地の悪そうな笑みをつくる。 百歩譲って認めてやる。 その笑みは綺麗としか いいようがない。 だが、場所が場所なうえ、こいつのこの台詞は 馬鹿な脳からはっせられているものなので 非常に腹ただしい。 『……寝言は寝ていえ! 阿呆がッ!!』 私はめったに 怒ることは ないのだが……。 こいつだけには別だ。 『寝ていない俺の 台詞を寝言とぬかすのか。』 壁に体をあずけ、 私をにらむ。
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