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ああ、たしかに。
貴様は寝ていないだろう。が、貴様のおつむは、寝ていても起きていてもたいして差がないんだよ、馬鹿杉?
言ってやりたいことは
山ほどあるが、つかれる。ので、睨みかえし、1番言わなければならないことを言う。
『いくらお前のその貧相なオツムでもこれくらいは読めるだろ?』
達筆にかかれている文字がのる、板を拳でなぐる。
『手前ェは俺を馬鹿にしてんのか』
不満そうに酒を煽るその馬鹿に笑顔でつげる。
『ああ、それはもう盛大に!お前の馬鹿さに、乾杯だよ。』
ひと睨みされたが知るか!
馬鹿は馬鹿なんだ。
『新撰組頓所』
だからなんだ?とも
いいたげにこちらを見る。
『お前は自分の立場を
わかってんのか?』
詰め寄り、頭一つ分高い背の高杉の襟を掴む。
『わかってらぁ』
『…ッ 私が新撰組の隊士だってこともか?』
『…ああ。好いた女のことをしらねぇわけないだろ?』
袖をつかむ私の腕を緩める。
『っじゃあ!どうしてここにくる!?』
『手前ェを好いてるから』
頭が痛い。
馬鹿はどこまでも馬鹿なのか?
『――――っ!つかまってもしらねぇからな!』
『つかまらねぇさ。
この国が俺を必要とするかぎり…な。』
深い黒い目は時折
深く光る。
大きな野望を上手に
大切に底意地悪い
笑みの下に隠してる。
『…馬鹿野郎が…』
馬鹿じゃないってことは
知ってる。
知って…るんだ。
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