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「僕一人が死ぬだけで百万人っ!?」
ロキの言葉に少年は大声を上げる。
たった一人にここまでする理由がよく分かる。
「うん、そーゆーコト。さっき紹介したヘズを含めて元神様は後四人いるんだけど増えたり減ったりでようやくキミで四億人目だ」
そう言って、ロキは赤信号の横断歩道に入って行く。
それに気付いた少年は途端に目の色を変えた。
「危ないっ!!」
その叫び声にロキはこちらを振り返る。
そこに赤い車がスピードを落とさずに突込んで来る。
少年は思わず目を瞑った。
「………………?」
しかし、衝突音はいつまで経っても来ない。
「何してんの?早く行くよ」
ロキの声に瞑っていた目を開ける。
それと同時にロキが他の車と接触した…………と思ったが車はロキを貫通いや、すり抜けた。
「…………え?」
少年は呆気にとられぽかんと口を開いていた。
それを見て、ロキは思わず笑う。
「アハハハ、ボクが車なんかに引かれる筈ないでしょ。腐っても元神様だ、ボク等は現世で好きなモノに触れる権利がある」
子供っぽい、無邪気な笑顔でそう言う。
つまり、裏を返せば触りなくないモノはすり抜けるという事になる。
「ほら、突っ立ってないで。さっき言ったけどキミは一切干渉できないからはねられないから。安心して」
そう言って、またロキは先へと歩いて行く。
少年は急いでロキを追いかけたが、車にすり抜けられる度に肝を冷やした。
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