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「今からキミの匂いを辿って、キミの死んだ場所を探る。そして、そこで大まかな死因を特定して警察庁に忍び込んで後は芋づる式ってコト」
そう言ってロキは胸を張る。
見事な算段に少年は感心し、思わず感嘆の拍手を送る。
『ねぇ、父さん…………』
不意なフェンリルの声に二人は同時に振り向く。
『オレ、風邪引いてるって言わなかったけ?』
低い声の後にズビッと鼻をすする音が鳴る。
上空で照り付ける太陽はいつにも増して輝いているが、間違いなく二人の背後に木枯らしが吹いた。
「どうするんだよこの後っ!!手掛かりゼロじゃんっ!!」
「あーーあーーうるさい五月蠅い。一応もう一つ手はあるから………………やりたくないけど」
思わず少年は怒鳴り、ロキは両耳を塞いで聞き流す。
最後にロキがボソリと呟いたが横からの少年の威圧にやらざる得れなくなった。
「ハァ…………ロキ君の七つ道具[他力本願シーバー]」
パチンと乾いた音と共にあのトランシーバーを出す。
「もしもし、ヘムいる」
『なんだい、金になる話?じゃないと切るぞ』
スピーカー越しの声にが聞こえ、途端にロキの眉間にシワがよる。
「取引だよ。日本人でイマイチ特徴の無い高校生ぐらい男子、記憶喪失してるから頭部の強打が死因だと思う。見た?」
『………………ああ、見たな。野次馬の言葉の一つ一つまで覚えてるさ。…………いつもの倍の値段で売るぞ』
スピーカー越しの声の後にブチンという音を少年は確かに聞いた。
ロキの身体はワナワナと震えていた。
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