とある少年と白銀の邪神

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「ハァッ!?なんで急に値段を倍にするんだ?」 急に値段をつり上げられて、思わずロキはトランシーバーに怒鳴る。 『確実に払うと思ったからだよ。ようやく残り一億人となった今、極力堕落させたくないだろ?それに今堕落させると間違いなく全員の士気に関わる。だからお前は必ず払うと踏んだ』 「………………わかった、払う」 正論を立て続けに並ばされ、ロキは沈黙の後に了承した。 『まいどあり。さて、正確な情報だが今からチュールをそっちに向かわせる。ガルムを使って匂いを辿ってくれ。あっ、あとこの会話は全て録音したから取り消し出来ないぞ』 その言葉にロキは思わず固る。 「それって、ボクがチュールを呼ぶのと変わりないよね」 『まあ、そうだな。実は俺が見たのは五十近くあってな、チュールを向かわせた方がいいと思った』 「詐欺だあぁぁぁっ!!金返せぇぇっ!!」 再び、ロキがトランシーバーに怒鳴るがロキはスピーカーからザーッというノイズを聞く。 すると、ロキはトランシーバーをグシャリと握り潰した。 側で見ていた少年は上手くからかわれてるなと遠くから見ていた。 「誰だったの?会話の相手」 「ボクら五人の内の一人、天上界の元門番ヘイムダルだよ。天から下のものを全て見つめ、遠くの草の伸びる音すら聞き取るというスバ抜けた感覚を持つ神様さ。まあ、タチの悪い詐欺師だけどね」 そう言って、ロキはがっくりと頭を垂れた。image=169821901.jpg
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