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それからはチュールが放った犬の連絡が来るまで各々が自由な時間を過ごしていた。
少年はいつ来るやも知れない悪魔に警戒してロキの近くにおり、ロキは近くの木の下で座り船をこぎかけている。
チュールは再び、フェンリルに登り背中の上で悦に入っていた。
フェンリルはもちろんイヤな顔して、自分の背中に頬擦りするチュールが速く離れないかと祈っていた。
「…………ねぇ」
「ん、なんだい?」
不意な少年の呼び掛けにロキの意識はある程度覚醒される。
「ロキ達って神格を奪われたんだよね。何かしたの?」
「んーー、じゃあ少し昔の話をしよっか」
そう言って、ロキは少しズレたシルクハットを被り直して話始めた。
「これは、にっくきクソジジイに呼び出された時の事なんだけど………………」
天上界アスガルドの中心にある大宮殿の一番奥の部屋、高い壇上で白い髪と顎鬚の頑固そうな老人が今にも怒鳴り出しそうな雰囲気で目の前の五人を見ていた。
右から順に灰色の髪で何処か遠くを見つめている少年ヘズに身の丈の大剣を背負った少女チュール。
少しオドオドしながら辺りを気にする燃えるような赤髪の少年に紫色の長髪で金色の角笛を腰に携えたヘイムダル。
そして、呑気に大あくびをかましているシルクハットに黒いの服の少年ロキがいた。
「貴様らぁっ!!何故呼ばれたのか分かっとるのかぁっ!!」
ロキの態度にしびれを切らせたのかこの部屋が崩れるじゃないかと思うぐらいの大声で老人が怒鳴った。
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