とある少年と白銀の邪神

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眩しい光の道を抜けると、そこには見慣れた風景が待っていた。 車の行き交う音、絶える事のない雑踏。 そして、天を擦るかのような高いビル。 「少年A、現世での注意事項だ。キミはもう現世とは一切干渉できない、それとここでも魔物がキミを狙っている見つかり次第大きな声をあげるコト。いいね?」 ロキの言葉に少年は頷く。 すると、ロキも満足気に頷いた。 「さあ、まずはキミの事を調べなくては」 そう言って、ロキは歩き始める。 「…………待って」 しかし、その行動は少年の一声で停止させられた。 呼び止められたロキはばつの悪そうな顔をしながら振り返る。 「なんだい?」 「なんで、面倒な僕を後回しにしようとしないの?」 その発言にロキは思わずため息を吐く。 そして、人差し指を少年へと向ける。 「死なれたら、ボクの負担が増すから。あと、ネガティブすぎっ!!」 ナヨナヨした様子に痺れを切らしたか、ロキは理由のついでに不満を少年にぶちまけた。 「ゴメン…………ところで負担って?」 少年の対応にロキはがっくりと頭を垂れる。 そして、頭を掻きながら顔を上げる。 「ボクは神様なんだ。今は神格を奪われてるから元神様って言った方が正しいけどね。その神格を取り戻す為には死んだ人の魂を五億人分導かないといけないの。ここまでわかる?」 その言葉に少年は頷く。 「しかし、これを達成する過程でルールがあってね。その内の一つが一人堕落(ダウンフォール)させるとノルマ百万人追加なんだ」
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