襲撃者

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…リーゼ峠。ここは走り屋が集う有数の走りスポットである。夜な夜な走り屋達は自慢の愛車でこの峠を攻め、自らの腕を磨いている。 1台の紅いハチロクから蒼髪の青年がおりてきた。彼…コバルト・アルタイルは、傍らから現れた白のシルビアに駆け寄る。ゲーツだ。 「アルタイル‼例のヤツらは⁉」 「あそこに…」 アルタイルが指差した先には漆黒のBNR32…リヤクオーターパネルにはカイザーというチームステッカーが貼られている。 「カイザーのコーザ・レオってのはあんたか。俺はゲーツ。チームSlide⚡STYLEのリーダーだ。」 レオと呼ばれた黒髪の青年が笑って返す。 「あぁ。オレがレオだ。このエリアはカイザーがもらうぜ‼」 …そう、カイザーはあちこちのスポットを征服して回っているチームなのだ。 「そうはいくか‼リーゼ峠にカナデア・ゲーツ在りってのを見せてやる‼」 漆黒のGTRと純白のシルビアが並ぶ。アルタイルが間に立ち、 「3・2・1・GO‼」 豪快なスキール音とエキゾーストノートを立てて2台は猛然とダッシュする。しかしシルビアはGTRに引き離される。 「やっぱりパワーでは分が悪いか…」 第一コーナーが迫る。4WDの利点を生かし早めのブレーキから向きを変えパワースライドを最小限に抑え加速するGTR… しかしシルビアはギリギリまでブレーキを踏まない。 「いけっ‼」 いきなりフルブレーキ。と、すぐにブレーキを解除してギアを3速から2速へ叩き込みステアリングをきる。 『ギャヒャアァアッ‼』 イン側の側溝をなめるように滑らかなドリフト。車体の動きが安定するとすかさずアクセルを踏み込む。 この第1コーナーだけで30mはあった車間が一気にテールトゥノーズに。 「特別上手いヤツじゃ無い‼このバトル…速攻で終わらせる‼」 タコメーターの針が6500回転を示す。すかさずギアを3速へ。次のコーナーが迫る。 『ガアアァアッ‼』 RB26DETの図太いエキゾーストノートを撒き散らしGTRはコーナーを曲がる。しかし、路上の砂に足を取られ痛恨のアンダーステア。 「今しかない‼」 ドリフトのままシルビアはインを滑っていく。アンダーを出したGTRはインにつけない。 「これで終わりだ‼」 猛然とダッシュする白いシルビア。次の瞬間、漆黒のGTRの前には純白のシルビアがいた。
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