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カイザーとのバトルから一週間。
アルタイルは愛車ハチロクトレノでリーゼ峠の登りを攻めていた。
早めに向きを変え文字通り舐める様にコーナーを駆けて行く。アルタイルもテクニックだけならゲーツと同じくらい上手かった。
長いストレート。ふとミラーを見上げると一筋の光。
「誰だろ」
パワーの無い130馬力ライトチューンのトレノ。
後ろから迫る謎のクルマはみるみる迫る。
「パスさせるか」
アルタイルはメーターのしたのボタン…ハザードボタンを押しハザードを点滅させ左によける。
しかし謎のクルマはトレノに合わせて左へ
「なんだよ」
アルタイルはトレノを右へ。
謎のクルマも右へとトレノを追う。
「まさか‼」
『ガンッ‼』
謎のクルマはアルタイルのトレノにカマを掘った。
「💢んのヤローわざとだな‼」
このストレートを抜けると登り斜面は緩やかになる。ブチ切れたアルタイルはアクセルをベタ踏み。
『カアァァァァッ』
4AG-EUエンジンが甲高く唸りフル加速を始める。
軽い車体が手伝ってパワーの割にはスムーズな加速を見せるアルタイルのトレノ。いつもより半テンポ遅くブレーキを踏みコーナーへ進入。浅いドリフト状態でコーナーを駆け抜ける。謎のクルマも後へ続く。しかしコーナー立ち上がり。そこにはこの峠で最も長いストレートの一つが待ち受けていた。パワーに物を言わしトレノを抜いていく謎のクルマ。
「丸ヨン…スカイラインか」
謎のクルマの正体はDR30スカイラインRS-Xてあった。
トレノを抜かしたDR30は蛇行を始めアルタイルを挑発する。
「ヤロー舐めやがって‼」そしていきなりDR30はハーフスピンした。
そこには…
「やべぇっ‼‼」
アルタイルはDR30に気を取られノンブレーキでコーナーへ進入してしまった。
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