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『ギャヒャアァアァッ』
コーナーにノンブレーキで進入してしまったアルタイルはとっさにサイドを引きカウンターステア。ハーフスピン状態に持ち込む。慣性重量を摩擦熱に変換しその熱を大気中に拡散しながらトレノは減速する。
「止まれェッ‼」
サイドブレーキでハーフスピン状態にありながら小刻みにフットブレーキも踏む。効果は不明だがアルタイルオリジナルのブレーキングである。
しかしガードレールがみるみる迫る。
「こうなったら…」
アルタイルは思考を180度変換。
ぶつけない事よりもぶつけてどれだけスムーズにコーナーを処理出来るかを考える。
『ガッギャアァッ‼』
トレノのリヤバンパーがえぐれる。そのままガードレールを擦りながらコーナリング。
『ガリガリガリガリガリッ‼』
けたたましい音が響く。
「我慢してくれトレノ‼」
なんとか無事にコーナーを脱出。かなたにDR30を見据えながら改めてブレーキを踏んで停車。トレノから降りリヤのキズを見つめる。
「助けてくれてありがとなトレノ。」
紅いボディに入った鈍い銀色のキズはかなり大規模に付いており、クオータガラスとリヤハッチ、ブレーキランプからわれていた。
「これじゃフレームも曲がってるかもな💧」
ため息をつくアルタイル。しかし彼は見逃していなかった。あのDR30に「カイザー」のステッカーが貼ってあった事を…
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