63人が本棚に入れています
本棚に追加
チュンチュン
小鳥のさえずりが聞こえる。もう朝なのだろう、だが俺は起きない。こんなことで爽やかに起きれるほど俺のメンタル面は爽やかじゃない。目覚ましの音もまた然りだ。
『タッタッタッ』
そんな俺に起床と言う名の制裁を与えることの出来る人物が刻々と迫る。
「キョンちゃん!、朝だよーっ!!」
そんな台詞と共に我が家の小さな弾丸は、俺のみぞおちにダイブした。
「ぐはぁっ!」
そう、我が妹である。これが「お兄ちゃーん」と言う然るべきセリフアーンドゥシチュエーションなら、俺にもハルヒが言う萌え~とやらの1万分の1くらいは理解出来るんだろうが、残念なことにそんな日が来ることは無さそうだ。
「キョンちゃん、起きて起きて」
「わかった!わかったから下りろ!」
「はぁ~い!」
妹はそう言うと直ぐ様下りて、リビングへ走って行った。全く何がしたいんだか…ん?
「キョンちゃん?」
今度はちゃん付けか。只でさえ不本意なあだ名なのにちゃんまで付けられたら俺の名前が廃るまでいかないにしても可哀想じゃないか?妹よ。
俺はいつもの気だるさオーラMAXの身体で洗面所に向かった…がなにかおかしい、なんかこう、しっくり来ない。気だるいと言っても病気な訳でもなく、筋肉痛という訳でも無い。そんな違和感に襲われながらトボトボ歩くとあっという間に洗面所についた、まぁ当たり前か家だし。
『バシャバシャッ』
身体にこびりついた気だるさを0コンマ何パーセントでもマシになればと豪快に顔を洗った。
お陰でスッキリとまでは行かないにしても、多少なりともサッパリしたらしい。だが顔を上げた次の瞬間、こんな微量のサッパリ感とは比較にならない程の強烈な現実に俺は呆気に取られた。
「流石に無いだろ…これは」
最初のコメントを投稿しよう!