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呆気に取られて見とれる俺にハルヒは不思議そうにしていたが、次の途端眉をつり上げ少し不機嫌に話してきた。
「そういえばキョン、髪は?」
あ…
「ハルヒらしい」
脳裏によぎった言葉がつい口から漏れた。
「…うりゃ!」
次の瞬間、ゴン!と言う音が響き、頭に衝撃が走った。俗に言うババチョップというやつだ。
「い…痛っ」
「アンタ…人の話し聞いてた?」
?…聞いてたには聞いてたが…髪?…はて?皆目見当もつかない。イコール聞いてないのと同じだ。
「すいません聞いてま」
「うぉりゃ!」
全て言い終わる内にババチョップ第二波の攻撃が加えられた。
まぁ…ハルヒらしい。
「いたい」
「ったく…アンタのことだからまた面倒になったんでしょ。ヘアゴムも持ってきてないみたいだし」
そう言いながらハルヒは俺の背後に回った。
ん?ヘアゴム?
「こーゆーのは面倒くさがっちゃだめよ?そのうち習慣になって自然にできるようになるから」
そう言いながらハルヒは慣れた手付きで俺の髪を結った。
「ほら出来た!」
ハルヒは満面の笑みで何処から取り出したか分からない鏡を俺のの前に突き出した。
「こ…これは」
ポニーテール…
「うん!キョンはやっぱりコレが一番だわ!」
そう何を思ったかハルヒは俺の髪をものの見事に完璧なポニーテールに仕上げたのだ。
「はぁ…」
「どうしたの?元気ないじゃない」
「いや…なんでもない」
そりゃそうだ、いくら俺がポニーテール萌えだからって、自分のポニーテール姿を拝むとは。こりゃ軽いトラウマだね。
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