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そんな俺はついにかすみ高校へ入学した。だるい入学式を寝ながら過ごし、今日一日が終わった。
そんな中、シニアでも一番仲よかった奴が俺の席へと向かってきた。
「お~い、はじめ。なにだらけてんだよ」
俺に声をかけてきたのは前田 賢一(まえだ けんいち)
一応俺の親友にあたるのかな。シニア時代から一緒に野球をやってきた。みんなからは"ケン"と呼ばれていたため、俺もそう呼んでいる。
シニアでは一番センターを任せられていた。本当に足だけは早い。ただそれ以外は平均的だけどな。
「ケン、お前野球やんのか」
「え、はじめはやんないのかよ??
ま、はじめの場合は野球部の先輩とかから、かなり入部の誘いが来ると思うけどなー」
「いや、やってもいいけど…坊主にしたくねぇしな。
あんなマルコメ集団、なんか変な宗教みたいで嫌じゃねぇ」
「それは仕方ねぇだろ~。野球やってる奴なんてみんな、伝統だの古臭い物、大切にしているしな~。
ま、あれも一つのゲン担ぎみたいなもんだろ」
「ふ~ん。んじゃ、とりあえず帰るべ」
「えっ!?なんだよお前、野球部の練習見ていかないのかよ」
「ああ~、パスパス。とりあえず昨日パワプロしまくって、眠いからさ」
「お、おい…って…行っちまったし…」
俺は野球見学したがっているケンの誘いを無視して先に帰った。
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