CASE1.「彼女」

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 「あ。そうそう、新しいハーブティーを仕入れてみたんですけど、ルカ、一杯どうです?」  と、僕は日向ぼっこ中の相棒に声をかけた。  相棒のルカは、ちょっと面倒臭そうに、こちらをチラ見して、また自分の世界に戻ってしまった。  「あらら、素っ気ないですねぇ。まぁ、せっかくですから、とりあえず煎れてみますね。」  僕が、新しいハーブティーのパッケージの封を切ると、ほのかにフルーティーで甘い匂いが辺りに漂った。  その匂いに気付いたルカが、少し頭をあげて、鼻をくんくんさせる。  「…どうです?いい匂いでしょ?春にぴったりの香りでしょ。」
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