CASE1.「彼女」

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 「はい、出来ましたよ。どうぞ召し上がれ。」  僕は、猫舌(猫なだけに…)なルカの為に、少し温めに煎れたハーブティーを、ルカ専用のティーカップに注いで勧めた。  「……………フンフン」  ルカは匂いを嗅ぐと、そっと一舐めした。  「どうです?」  僕が聞くと、  「フン…」  と満足気に鼻を鳴らした。  どうやら、気に入ったようだ。  ルカは、これでも味にはうるさい。気に入らないと、カップを軽くひっくり返すこともある(苦笑)。  だから、ルカへの試飲や試食は、なるべくお客様のいない時に行うようにしている。  「新作は合格ですね。早くお客様に飲んでもらいたいなぁ…」
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