CASE1.「彼女」

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 「ご注文は何になさいますか?」  僕がたずねると、とてもか細い、小さな声で、  「…ホットミルク…」  と彼女は言った。  年の頃は…10歳前後。 レースをあしらった、真っ白のワンピースに、真っ白な靴。髪の毛は黒髪で肩くらいのおかっぱな感じ。  とてもおとなしい印象の女の子だ。  「今日は、お一人ですか?」   僕は、年齢問わず、人には敬語を使う。  余程慣れてくれば、フレンドリーに話すこともあるけれど、一応客商売をする身。相手の方に失礼があってはいけないし、何より僕は、話下手だから…。
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