CASE1.「彼女」

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 「何か、食べる?」  そう彼女に聞いてみる。  彼女は、ただ、こっくりと頷いた。     「えっと…何がいいかなぁ…」  僕がそう言うと、彼女は思いだしたように、  「プリン…」  そう、小さな声で言った。  「プリンね。お安い御用です、お姫様♪」  少しおどけてみせると、微かに彼女は笑い、笑顔を見せてくれた。  僕は、手作りのプリン(結構自信作です♪)を、硝子の器に盛り付け、お決まりの生クリームとさくらんぼ🍒、バニラアイスとウエハースを添えて、プリンアラモードを完成させた(懐かしいプリンアラモードでしょ?今はこういうオーソドックスなプリンアラモード、あまりないですよね)。  「お待たせ致しました。特製のプリンアラモードです♪」  と、彼女の前に差し出すと、驚いたように、    「…これが…プリン…」  と、ひとこと呟いた。
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