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特に王様の反応は恐い程、凄まじいものでした。
『初めて彼女を見た時、あの時に似ている…欲しい!これは僕の物だ!いいか!僕以外は触れるな!』
王子は初めて見るこの恐ろしい父の顔を生涯忘れる事は出来ないでしょう…。
王子だけが知らなかったのです。王様は気に入った物を有無を言わさず手に入れなければ気が済まない性分だったのです。
王妃様も最初は王様の我が侭に振り回された被害者でした。彼はこの国の王なのです。誰も逆らう事は許されません。
ただ一度手に入れてしまえば、壊れてしまうまで最高の愛情を捧げます。
王妃様は王様と出会った時、王様の子供でも決しておかしく無い年齢でした。彼女の心臓は成人するまで持たないと言われており、短い生涯を王にたくす事になってしまったのです。
最高の愛を捧げられ、諦めていた子供まで手に入れ、生涯を大往生だったと言い残し人生を閉じた彼女はもしかしたら本当に幸せだったのかもしれません。
ですが生き方を選ぶ権利を奪われしまいました。
民は皆事情を知っていました。事情を知っていて跡継ぎを求めたのです。彼女は優しい女性でした。
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