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煉瓦に土を塗り固めた飾り気の無い壁に余計な物がほとんど置かれていない質素な造りの部屋に重々しい空気が流れている。
「良いわよ、教えてやるわ!この村じゃ子供達は十歳になったときに【内職】のことを教えられるの…」
そこまで話した所で女の子は両手で顔を抑えて嗚咽混じりでしゃくりあげ、泣き始めた。
「そこで真実と罪の意識に耐えきれなくなって逃げ出したくなった……という訳らしい」
「なるほど、そこに僕らがこの村に辿り着いたわけか。それで街に着いた後はどうする気でいるんだい?」
「……これ以上被害者を出さないために私がなんとかします」
「所詮子供の考える事だな、そんな曖昧な策で誰が救えると言うんだ?どうせやるなら……」
一呼吸おいてルッチが目を瞑って力強く言った。
「ギルドナイツに報告だ。さあ、もう日が沈むぞ?準備を始めよう……おい、お前ら何だよそんなに驚くなよ。僕は子供が泣くところを見るのが嫌なだけだ」
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