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「おい、そこのあんた!こっちに来てくれ。作戦があるんだ!」
二人が予想していたよりずっと背の低く肩幅が狭い痩せ型の片手剣使いはガンナーの指示に素直に応じて小走りで二人に近づいてきた。
「まず俺の名はヘルメス、見ての通りガンナーだ。俺達が生き延びてついでにあのアプトノス列車に乗った乗客を助ける為に君らに協力してもらいたい」
「僕はルッチ・ネルラ。この装備であの化け物をしとめるつもりか?」
「いや、あの列車が逃げるまでの時間を稼ぐだけでいい。おおよそ20分ぐらいだろう。あとは俺が睡眠弾で奴を眠らせて逃げる」
「なるほど、あんなのを倒すより随分現実的な作戦だな、僕は乗る」
「あとはあんたさえ乗ってくれれば実行に移せるんだがどうだい?」
ヘルメスとルッチの二人が期待を込めて片手剣使いを見ると当然と言った表情で片手剣使いは頷く。
「よし、あんたの名は?妙な縁だがせっかく繋がった縁だ、教えてくれよ」
「……オリビア」
ほとんど口を動かさずに発せられた消え入りそうな小さい声だが確かにそう言った顔には決意の色があった。
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