貴女がいたから僕は

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「…ジェージェーは幸せじゃないの?」 「は?」 「あたしのこと幸せそーって言ったからさー。 で、どうなの?」 「…まぁ幸せなんじゃないですか」 ぽつりとそう答えると同時に頬に鋭い痛みを感じ 驚いてノーマさんを見ると少し怒ったような顔をしながら 僕の頬を力加減なしで引っ張っていた 「いっ、痛いですって!!」 「なぁにが“まぁ幸せなんじゃないですか”よ!」 「…え?」 僕が何を言っているのかわからないと首を傾げると ノーマさんはやっと頬から手を離して僕の前に立ち塞がるようにしてこちらを見た 「ジェージェーにはすんっっつごい幸せになってもらわなきゃ困るの!!」 「なんですかそれ…」 「あたしたちが隣にいるんだからジェージェーには幸せそうに笑ってもらわなきゃなんだからね!」 威張るようにそういうノーマさんに暫くぽかんとしていると 目の前に立ち塞がっていたいたノーマさんがに、と笑い突然僕の頭を撫でる 驚いたがそれが嫌ではなく僕はされるがままになっていたのであった 「だから、ほ~ら笑いなさいって!」 「…ノーマさんって」 「なぁに~?」 「後先考えなし、迷惑ばっかりかけるし」 「…喧嘩売ってんの?」 「だけど―――」 そこで言葉を止めノーマさんの方に視線を向けると 少しむっとした様子のノーマさんの瞳には僕が映っているのが見えた そこに映る僕はなんだか楽しげに口に笑みを湛えていて なんだか自分ではないような気がしてならなかったが紛れもなく自分自身で 「…なんでもないですよ」
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