智哉~13 years old~

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しばらくサルと智哉が話をしていると、急にサルが明後日の方向を見た。 『あ、陽子来た』 サルが言うと、智哉もサルの目線の先を追う。 『どれよ?どれよ??』 智哉は少し目を細めて見る。 『あの、背の低い肩くらいまでの髪の赤い紙袋みたいなん持ってる子~』 向こうから少沢山の人に紛れ、少しだけ俯き加減で早歩きでこちらに向かいやってくる女の子が見えた。 『あれが陽子?  …ふーん』 智哉は陽子がどれだかわかると陽子から目を反らし、自転車に跨がる。 『あかん?無理?』 サルはまだ少し遠い陽子に手を振りながら智哉に聞く。 『あかんって言うか~  普通よね。  まぁしゃべってみて  それからやな』 智哉は自転車に跨がったまま、サルに言う。 『智哉から見たら  普通か~  俺もまぁ別に~  って感じやけどな』 サルは早く来いっと言う感じに陽子に激しく手をふる。 『サルはその前に  女興味ないやん  男好きなんか?😃  俺はあかんで~❤』 智哉は笑いながらサルの肩をポンっと押す。 『キモい事言うな!』 サルは少し怒る。 そうこうしている内に、陽子が二人のところまでたどり着き、 『こんにちは』 と言った。
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