智哉~13 years old~

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『うっわ!  バリ声可愛いやん!』 智哉は自転車に跨がったまま、満面の笑みで言う。 『えっ!?  あ、ありがとう…』 陽子が恥ずかしそうに俯き言う。 『マンガみて~な声!  な!?サル!』 智哉はそう言うと、自転車から下りて、陽子の肩を抱いて、俯く陽子の顔を覗き込む。 さらに恥ずかしそうに俯く陽子。 『めっちゃ  純粋ちゃんや~ん』 智哉のテンションが上がる。 『智哉はお嬢さん系  好きやもんな~  よかったな、陽子。』 サルは微笑みながら言う。 『じゃ、陽子ちゃん  行こうか!  どこ行く?』 智哉は陽子の肩を抱いたまま、自転車の側まで歩く。 そんな智哉を見て、サルは 『じゃあ俺、帰るわ~』 と言い、手を振る。 『おう、サル、  また明日な~!』 智哉も手を振る。 横で陽子も小さく手を振った。 『さ、後ろ乗れよ~』 サルを見送った後、智哉はそう陽子に言うと、自転車に再びまたがり、陽子の持つ鞄を自転車の前籠に入れ、ゆっくり自転車を出す。 陽子は追い掛けると、ピョンと、智哉の後ろに飛び乗った。
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