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そんな彼女は、一つ上の先輩に可愛がられていた。
先輩の名は【安田 奈美(やすだ なみ)】。まず【真面目な生徒】とは掛け離れた先輩で、愛とは同じ塾に通っていたことから仲良くなった。
いつも【愛~、タバコない?】【愛~、今日塾サボッて遊びに行こうや】と、学校で愛を気にかける。彼女もまた、不良生徒のほとんどいないこの中学では一人浮いてる存在だった。
しかし、愛は学校で浮いてはいるものの、タバコもしない、塾をさぼる事もまずない、勉強も学年で中の上くらいの位置にある、真面目な生徒だったので、先輩に刺激的な話を聞くのは楽しいが、自分でしようとはまず思っていなかった。
【愛。あんたはあたしと同じなんだよ。あたしが楽しい事いっぱい教えてあげるから一回くらい付き合いなよ~】
奈美はいつも笑いながら本気で愛にこんな事を言っていた。
【そだね、機会あれば】
愛はいつも笑ってこう答えていた。
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