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『コラッ、危ないから
停まりなさい!』
ゆっくり ゆっくり
30キロ前後のスピードで走る原付きの後ろをゆっくり付いていくパトカー。
『あのアホなポリ、
深夜でご近所迷惑なん
解ってへん!
いい加減相手せんと、
行こうや!』
原付きの後ろの少年が、今度は大きな声で、運転している少年の耳元で叫ぶかの様に話す。
『アハハ😃
間違いないな』
運転している少年はそう言うと、加えていた煙草を投げ捨てた。
そして、二人でパトカーの方を振り向き
『ばいばい!』
と笑顔で手を振り、一気に加速した。
中央分離帯からUターンをし、反対車線を逆走する。
元々走っていた道のパトカーに、すれ違いざまに中央分離帯の植木の間から二人は笑顔でもう一度手を振った。
二人の髪は向かい風に靡き、サラサラと揺れていた。
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