突然の告白

3/4
前へ
/35ページ
次へ
コンコン-… シーン-… あれ?先生いないのかな? ソッと扉を開くとフワッと消毒液の匂いが鼻を刺激する。 窓からは暖かな日差しが差し込み外からは運動場で、はしゃぐ生徒の笑い声が聞こえてくる。 花「先生?」 シーン-… いないのかな… 猛「どーすんの??」 ひょこんっと花穂を上から覗き込む猛。 たけちゃんってこんなに背高かったっけ? 猛「なぁ~に見てんの? もしかして俺に惚れちゃった?」 ニタニタと花穂を横目で見ながら猛は笑う。 花「なっ!!何言ってんの? もうすぐ私、死ぬんだよ… 恋なんてしたら死にたくなくなっちゃうじゃない!」 猛の背中をバシッと叩きながら軽く冗談。 なのに、たけちゃん… 何でそんな悲しそうな顔するの? 猛「何で花穂はいつもそうなんだよ! まだ死ぬとは決まってないだろ!」 突然、怒りだす猛。 花「え…だって… 私だって怖いんだよ… たけちゃんには私の気持ちなんて分からないんだよ… 誰に聞かなくても自分が日に日に死に近づいている事が分かるの… それがどんなに怖いか分かる? 今、恋なんてしたら死にたくなくなっちゃうじゃない… 生きたいって願っちゃうじゃない…」 今まで我慢していた事が涙として いっぺんに流れ出た。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

391人が本棚に入れています
本棚に追加