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コンコン-…
シーン-…
あれ?先生いないのかな?
ソッと扉を開くとフワッと消毒液の匂いが鼻を刺激する。
窓からは暖かな日差しが差し込み外からは運動場で、はしゃぐ生徒の笑い声が聞こえてくる。
花「先生?」
シーン-…
いないのかな…
猛「どーすんの??」
ひょこんっと花穂を上から覗き込む猛。
たけちゃんってこんなに背高かったっけ?
猛「なぁ~に見てんの?
もしかして俺に惚れちゃった?」
ニタニタと花穂を横目で見ながら猛は笑う。
花「なっ!!何言ってんの?
もうすぐ私、死ぬんだよ…
恋なんてしたら死にたくなくなっちゃうじゃない!」
猛の背中をバシッと叩きながら軽く冗談。
なのに、たけちゃん…
何でそんな悲しそうな顔するの?
猛「何で花穂はいつもそうなんだよ!
まだ死ぬとは決まってないだろ!」
突然、怒りだす猛。
花「え…だって…
私だって怖いんだよ…
たけちゃんには私の気持ちなんて分からないんだよ…
誰に聞かなくても自分が日に日に死に近づいている事が分かるの…
それがどんなに怖いか分かる?
今、恋なんてしたら死にたくなくなっちゃうじゃない…
生きたいって願っちゃうじゃない…」
今まで我慢していた事が涙として
いっぺんに流れ出た。
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