第一条 顔が似てること

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第一条 顔が似てること

僕には兄妹がいない。 加えて言うと父親もいない。 でも、記憶があるのだ。 父親の記憶ならまだ分かる。 しかし、兄妹の記憶はどう考えよう。 黒い絹のような髪をもつ人物。 目に力強さを携え、いつも怒っているように見える。 それでいて、可愛みのある顔立ちをしていた。 特に笑うときは表情が緩み、大きな瞳が一層に引き立つ。 ハッキリ覚えている。 幻想か、現実なのか曖昧だがよく覚えている。 特に顔は忘れもしない。 何故かって? 僕と同じ顔をしているからだ。 野生に満ちた瞳を除けば。
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