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◇◇◇僕
「で、何の冗談だ」
僕はいらいらオーラを放出しながら相手を睨みつけた。
怒りの矛先は小学生からの友人である翼という男子だ。
ひょろっとした僕とは違い、なかなか逞しい肉体を持ち合わせ、身長も185センチと反則的な奴だ。
髪は茶髪に染め上げ、短くカット。
全て逆立っている。
つまり外見において、不良度90パーセントぐらいの奴である。
「何度も言わせるなよ。お前が女装をして歩いているのを見たと言っているんだ」
思考が横路にずれていたが、再び怒りが舞い戻ってきた。
「ふざけるなよ。僕がそんな変態じみたことするはずないだろ」
とうとう声にまで、オーラが纏いだした。
あまりの雰囲気に教室中がざわめき出す。
今日にいたるまで、喧嘩らしい喧嘩は、僕と翼の間には無かった。
その事実が普通以上に周りの緊張感を高めているのだ。
「あくまでも知らないと?」
「ああ、知らない」
本当に覚えが無かった。
絶対、確実、完璧に翼が間違っている。
「じゃあ、コレを見やがれ愚か者!」
翼は水戸黄門のアレのように、携帯電話を僕の前に突き出した。
携帯の液晶画面に映った画像に、しばし絶句する。
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