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◇◇◇僕
僕は例の商店街を歩いていた。
学校の帰りに直接向かったので、服装は制服のままだ。
結局のところ翼は信じてくれなかった。
本当に兄妹なんているのか?
翼の問いかけに、僕は言葉を詰まらせた。
記憶が曖昧で、確信が持てないのだ。
それをどうみたか、翼は苦し紛れの嘘だと思ったらしい。
最終的には女子が携帯を覗き見て、「きゃー、可愛い~!」と騒ぎ立てる始末。
今年の学園祭で女装コンテストをしようという話が持ち上がりそうになった。
「くそ~、翼め~。本人を連れて来て土下座させてやる」
復讐心を原動力に、現在1時間ほど歩き回っている。
今のところ収穫はないが、見つけなければ女装趣味にされてしまう。
それだけは避けねば。
あまり大きくもない握り拳を作り、再び歩き出した時だ。
「やっほ~、鈴ちゃ~ん」
透き通るような女性の声が聞こえ、僕は思わず振り向いてしまった。
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