『文学好きには携帯小説は読めない』に関する考察

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ここで、『源氏物語』を例に挙げたい   『源氏物語』は平安時代に紫式部によって作られた長編小説で、日本文学の雄と位置付けられ、後世の作家に多大な影響を及ぼした作品である   しかし、紫式部が執筆していた当時は一部の有識者からは批判の声もあがったという    曰く、ただの官能小説だ 曰く、ひらがな混じりの小説など文学ではない   当時も絶大な人気を誇っていた作品ではあるが、読者層は女性が中心で、もしかしたら今で言う昼メロのような感覚だったのかもしれない   しかし、『源氏物語』における人間の普遍的心理、因果応報の厳しさというテーマが認められた現在となっては国語の教科書には堂々と掲載され、大学入試には必ずと言っていいほど出題され、海外で最も読まれている日本文学とされている
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