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「本当にあなたのお鼻は伸びるの?」
「あぁそうさ」
誇らしげに胸を張る木の人形を、金髪の人形はかくりと小首を傾げて見つめ返した。
「なら見せて、あなたのお鼻が伸びるのを見せて」
「分かったよ。
僕の鼻は実は伸びないんだ」
一瞬の、沈黙。
金髪の人形が何かを言おうと口を開けた時。
木の人形の鼻がぐいんと伸びた。
金髪の人形はそれを見てすごいすごいとはしゃぎ、拙い拍手を彼に送った。
木の人形はまさに鼻高々といった様に鼻を反らせている。
「ねぇ、もっと見せて、もっと見たいわ」
「いいとも。僕は実は女の子なんだ」
ぐぐいん、とまた木の人形の鼻が伸びる。
きゃっきゃと金髪の人形は更にはしゃいだ。
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