75人が本棚に入れています
本棚に追加
そういえばこの少年も貧弱そうに見えて片手で扉を支えている。
―不思議ね。顔色は青白いし、強そうにはみえないもの。それにしても年齢に似合わない格好。わたしが彼女だったらもっとかっこよくしてあげるのに。もったいない!
とティーナは思った。
「そういえば…」
少年の容姿をじっと観察していたティーナの肩がビクッと跳ねた。
「なんですか?」
。
「敬語なんてつかわなくていいよ。この間は怒られなかった?」
「?」
「その…チビでまぬけな元国家錬金術師さんにさ。」
「あぁ!さんざんでしたよ!ついたときなんか驚かされたもん!」
ティーナがそう言うと少年は軽く声をあげて笑った。
ドキンっとティーナは自分の胸が高鳴ったのをきいた。
その後も少年とはなしているあいだもティーナの心臓はこの前よりもはるかに高鳴っていった。
最初のコメントを投稿しよう!