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もう、コレクションか売り物かなんて、どうでも良い。
男の人でも、こんなに可愛いガラス細工が作れるのか……なんて失礼な事を、真剣に考えてしまった。
「……んだよ、ほしいのか?言っとくが一応売り物だぞ。」
「は、はいっ!おいくらでしょうっ?」
「特別にタダ。」
「は?」
「無料だよ。その代わり、明後日また来い。良いか?絶対に明後日だぞ。」
自分で売り物だと宣言しておきながら、無料だなんて変な人。というか、なぜ絶対に明後日なのだろう。少しキョトンとしたまま、私は了解して帰る事にした。初めて会った記念とやらで、おにぎりと、ガラスで作った犬のキーホルダーを貰った。……当然、タダで。
青年の名前を聞きそびれた事を帰り道で後悔したけれど、まぁ仕方ない。私は明後日を楽しみにして、裏道から出て、学校の人に見つからないように急いで家まで走った。
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