過去になったあの日

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 俺は軽い朝食を食べ終え、気晴らし程度に、風に当たるため、稽古場に向かった。  昔ながらのといった言葉が似合う古風な木造された何気に大きい稽古場――――  普通こんなものは一般家庭にはない。  稽古場には、何故か柚がいた。 「超能力者ですかあなたは……」  どうやってか、先に来ている柚に歩み寄り隣に座る。  襖の向こう側に当たる廊下の方に座る某剣道殺人兵器と、ごく普通の高校生(自分)。  ミスマッチアンドミステイクな背景完成。 「超能力? なんの話だ? 第一、そんな非現実的なモノは存在しない」  珍しくノホホンとしているのか、はたまた俺が原因の気疲れかはわからないが、柚はため息をひとつついた。 「夢がないねー柚は」  俺は、座るのを破棄するよう後ろに倒れて寝転がる。 「兄者は夢を持ちすぎだ。少しは実力というものを持て」  柚はただ冷淡、さもそれが当たり前のようにサラッと現実を突きつけてきた。  夢見る少年はいつか空を飛べるんだよ、と言ったら竹刀が振り下ろされそうなので言わなかった。 「それにしても、兄者が自分から稽古場に足を運ぶとは珍しいな。頭が壊れたか?」  俺は、そのさりげない暴言を華麗に横に受け流した。  何も聞こえてませんし、現実は見えてません。
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