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「ならなんだ?」
妙にあっさりとした態度の柚に違和感のみを感じる。
いつもこんなだったら可愛いのに。
「一緒にどっかいく? デートも可」
「…………兄妹が、デ、デートなどと不埒なことをしていいと思っているのか?」
「柚が相手なら可。むしろ可」
――――バシンッ、と石蕗春斗を竹刀で粉砕、玉砕、大喝采するような音が稽古場に響いた。
世の中は理不尽だ。
俺はただ単に偶にの休みだからということで言ったのに、なんで、なんで、竹刀を振り降ろすんだ。
しかも脳天に……。
俺は、赤面しながら竹刀を振り降ろしてきた柚に「ゴフゥッ!」としか言えなかった。
柚はその後、「不埒者ー!」とか言いながら走ってどっかいった。
「グフッ、命に危険がある重体……」
もう勢いに任せて寝ました。
◇ ◇ ◇ ◇
時が経つのは遅い。
起きてみれば、30分しか寝ていなかった。
「あ~、まだ昼なりたてか~」
やることがまったくない。
暇とはまさにこのことと実感する。
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