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「かて………きょ……」
「初めまして祭さん、今日から君の家庭教師のユウシっていいます」
……嘘や!!
「て、ていうかお母ちゃんまだ成績表見とらんやん!
横暴や!!」
「どーせアヒルやろ?」
……………。
…に、にしたって…!
「お母ちゃんはなーんでもお見通しやで!★」
「ううう…」
「ユウシ君な、東京の大学通ってて今夏休みで里帰り中で暇なんやってー。
んでお母ちゃん、本屋でアルバイト雑誌見てたユウシ君見て
あんまりかわいくってナンパしてきちゃったわー」
「って結局浮気やんか!!」
「だからお母ちゃんにはお父ちゃんだけやって」
「うそ!信じられへん!」
浮気やないんなら、
なんでずっと抱き合ったまんまやねん…!
ウチが二人の様子見て口ごもってしまった所を見て、
お母ちゃんは豪快に噴き出した。
「っぷは!祭まっかっかやーん!
ほんまウブやんな、これだから処女はぁー」
「なっ…!お母ちゃんのばか!!」
「これはカテキョよろしくねーっていうサービスやねん、浮気とはちゃうちゃう♪」
お母ちゃんはウチをからかうように
更に男に身体を擦り寄せとる。
――っうう、お母ちゃんのあほ!あほー!
「姫奈サン、娘さんの前なんだから離れましょう」
「あん、ユウシ君のけちー」
「ごめんね、祭さん」
!
――こ、この人、実はええ人?
「祭さん処女なんだね」
…………前言撤回。
ウチは不機嫌に眉を潜めて男を睨み付ける。
「あはは、冗談冗談。
中学生だし当然でしょ」
「もーええわ!
ウチ一人で勉強する!
…家庭教師なんて、いらへんから!」
ウチはそう吐き捨てて、リビングを走り去った。
二人してウチのことばかにして。
むかつくむかつく!!
…カテキョなんて絶対認めへん!
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