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扉が開くと中には17、18歳ぐらいの青年がいた。否、拘束されていた。青年の髪は赤く、身長もかなり高い。頭が力無く下を向いているので顔は見えない。
「誰だ!?」
青年は二人に気づいたようで、焦ったように顔を上げて二人を見た。青年の顔は綺麗に整っていた。まさに美青年だ。
「お前らの名前は?」
青年は二人を威圧するように睨み、さらに低い声を出す。
二人は一瞬顔を見合わせた。
「俺はシル・バーンだ」
「バーンだと?」
青年はバーンという部分に反応し、軽く殺気を放ち始めた。
「・・‥・キルギス・バーンを知っているか?」
「あ・・・・ああ」
シルは青年の殺気に怯みながらも答える。
「なら奴は何処にいる?」
「何を言っているんだ?キルギスは数百年前魔王を倒した後に死んだだろ」
「!!」
青年は余程驚いたのか、殺気が消えた。
「死んだ?数百年前?」
青年は下を向いて何かぶつぶつ呟いていた。
「おいチビ!シルとか言ったな。今ルギネア暦何年だ!」
「チビじゃねぇ。今はルギネア暦5865年だ。そんなことも知らないのかよ!」
シルは怒りを剥き出しにして怒鳴る。
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