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しばらく、俺達は沈黙したままだった。
今、テーブルの上には俺が作った、純和食がならんでいる。
でも、俺だけ箸も付けずに座っている。
「なんだ臣、食べないのか?」
「臣くん、食べないと俺みたく大きくなれないぞ。」
「なりたかねーよ。」
「ところで健一、お前‥‥弟がいたのか‥‥‥。てっきり、俺は女の子だと思っていたが。臣くん、ごめんな。」
「‥‥‥?僕には、妹しかいないよ。」
「健一!!お前は間違っている。臣くんが女の子な筈がないじゃないか。」
「お前、兄貴に何言ってんだ?つーか、失敬だぞ。俺は仮にも女だ!!」
―――――。
「受け流すなァァァア!!」
「そういや‥‥‥健一~!!」
「無視かァ!!」
いつの間にか洗い物をしていた兄貴を呼んだ。
「ん?何―――?」
「誕生日おめでとう。冷蔵庫にケーキ入ってるぞ。」
「わぁ~~。ありがとう。」
そう。今日この人が居るのは
兄貴が誕生日だから。
でも、でも‥‥‥!!
調子に乗って、抱きつくなァァァア!!
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