2章 王と麒麟と女王

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       4 やめとけばよかった。 顔から滴り落ちた汗を拭い少女、リンはそう思った。 ディアブロスの討伐、やっぱり一人は無理だったのだ。 手にした双剣の刃はボロボロ、体力も底を尽きかけ、回復薬は切れている。 逃げるしかない。 しかし、逃げられない。 足が動かない。 多分、足をねんざしているのだろう。 ディアブロスが咆哮し、辺りの空気を揺るがす。 また突進が来る。 ―終わった、そう思い目を閉じた―
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