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あるところに、双子のたんぽぽが咲いていた。
双子のたんぽぽは同じ母親の綿毛として生まれ、ある日ふわりと空に飛び、ずっと一緒に旅をした。そして同じ場所に根を下ろした。ふたつのたんぽぽは根を絡め合って成長し、どちらも同じくらいかわいらしい花を咲かせた。
そんな双子のたんぽぽたちの、ある気持ちの良い昼下がりの会話。
「ねぇ」
「なぁに?」
「……ずっと……ううん、なんでもない」
「うん、もちろん!」
「えっ?」
「いつか私たちが綿毛になって、丸坊主になっても、いつか私たちに寿命が来て枯れてしまっても、ずっとずっと一緒だよ」
「……うん。ありがと」![image=151361589.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/151361589.jpg?width=800&format=jpg)
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