第 9 章 不信感

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「何か用だった?」 「いえ・・・もういいです」 千秋は受話器を握ったまま茫然と立ちすくんでいた。 玲子は千秋からの電話の着信履歴を消しかかってきた事を渉には言わなかった。 千秋はショックで体調を崩した。 「チイ 大丈夫?」 由利も心配で仕方なかった。 「由利・・・これ・・・あげる・・・」 元気のない声で由利に渡した。 由利が中を見ると おみやげのペアのペンダントだった。 「これって・・・」 「もう 必要ないから・・・」 由利は千秋が体調 崩した原因がこれだ!と確信した。 だが相手もわからない由利は 取りあえず千秋のペンダントを受け取った。 担任の先生も心配して家族を呼ぼうと言ったが 千秋は絶対 呼びたくないと言い 担任と由利が付き添って自宅へ戻った。 玲子も健次も既に帰った後であった。 担任から事情を聞き 渉は心配で何度も千秋に声をかけても 千秋はずっと無視をしていた。 「チイ・・・大丈夫か?」 「入ってこないで!」 千秋は部屋へ閉じ込もって出て来なかった。 渉は一体 何があったのか・・・体調だけではないような気がしていた。 数日間 学校も行かず 部屋からも出てこない千秋だった。 渉はどうしたら良いか悩んでいた。
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