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アークは毎日、ベルを手伝いながら彼の世界の全てを学んでいった。
畑の世話をしているとウサギや芋虫なんかを時々見かけた。
最初の頃、アークはウサギを追い回したり、芋虫を放り投げたりしていた。畑を荒らされて怒ったのだ。だが今は、みんなに平等に野菜や花など分け与えていた。
それもベルから教わったことだった。
人が一番偉いのではないのだからそっと見つめていてあげなさい。神は生き物に優劣などつけなかった。ウサギや芋虫もみんながいて世界は回っていく。他の生き物がいるから人間も暮らして行けるのだ、と。
ベルは誰にでも分け隔てなく優しかった。
自分の利益だけ考えるのではない。
皆が仲良く手を取り合って、というのが彼の理想だった。
もちろんアークもそれに習い、自然にも、生き物にも、村人にも優しく心がけた。
他にも牛や羊などの家畜の世話や、ベルの話し相手をしながら色々なことを学んでいった。
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