はじまりの景色

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ーーカタカタカタ 今僕がいる空間は客がほとんどいないせいか、不気味なぐらい静かだ。 する音と言えば、僕がキーボードを叩く音だけ。 駅を出発してからどれぐらいの時間が経ったのだろう。 窓の外を見ると【故郷】らしい景色はなくなっている。 もうコンクリートジャングルが恋しい。 「……まだ着かないのか」 時間が無駄に浪費されていく気がする。 第一せっかくの夏休みにわざわざ【古】に行かなければならないなんて。 当初の予定では今頃一人でゲームセンターに行っているはずだったのにな……。 「ばあちゃんは何で僕に古に行くように言ったんだろ」
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