はじまりの景色

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「この夏休みは古で過ごしなさい。もう宿泊の手配はしてあるから。お前は大切な物を忘れがちだ。それを学んできなさい」 脳裏に祖母の言葉が甦る。 渡されたパソコンは1日の報告をメールするための物だが僕はゲームに使っている。 別に禁止されてる訳じゃないしな。 頭の中で言い訳をしながら僕は次第にゲームに熱中していく。 「古で夏休みを過ごしたって何も変わらないよ。ただ不便なだけで……」 ーー間も無く到着いたします。 僕の独り言をかき消すようにアナウンスが流れた。 気が進まないながらも僕は席を立ち、入り口に向かった。
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