事故と事件

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 「なぁ………」   ホントに小さな声で呟くような感じだったが、確かに柳が塚原に問いかけた。    「何っ!?!?」    「お前なんで俺なんかに構うわけ?」    「ん~……何となく!」    「何だそれ………」   そう言って、また寝てしまった。 でも…… 俺が知ってる限りで初めて、柳が高木以外と会話した瞬間だった。 これにはクラス全員が驚いた。 塚原を含めて。    「あいつ……やっと人と打ち解けたか」   高木だ。    「いゃ……まだわかんねぇぞ?なぁ?」    「そうだね………」   唯は未だにあの事件から立ち直れないらしく、この話題には触れない。 で、塚原本人は……… 口だけで、    ( 「今うち会話した?今うち会話したよね?」 )   と、ずっと言っている。 ――キーンコーンカーンコーン……… チャイムがなった。 と同時に塚原が正常な状態に戻った。 …………… ………… ……… …… …
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