事故と事件

4/13
前へ
/230ページ
次へ
   ―放課後― 授業が終わり、放課後。    「帰ろ~♪」    「ぁ、悪い」   唯は、頭にハテナを浮かべたような顔をした。    「呼び出しくらった」   そう言って、ある手紙をひらひらと宙に揺らす。 その手紙は、紛れも無い、ラブレター……    「わかった……」    「案外あっさりしてるな?」    「だって……」   だって? と、俺は繰り返す。    「信じてるもん」    「あぁ~……うん。大丈夫だ」    「エヘヘ♪またねっ!」    「おぅ!またな」   挨拶を交わして、唯は帰った。 入れ代わりで来たのが、由香里。    「いいの?」    「あぁ。大丈夫……」    「そうじゃなくて………ちゃんと話さなくて」    「………大丈夫……」    「ならいいけど」    「まぁ行ってみるさ」   由香里が心配していること……… それは唯自身の問題と言ってよかった。 今から俺が告られるだろう女子…… それは唯にとって天敵のような人物。 ……… とにかく行くしかないか………
/230ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加