13人が本棚に入れています
本棚に追加
「私達何番だっけ?」
「60と61」
この番号は、鐘をつく順番だ。
もうすぐ始まるかな?
「それでは1番の方」
神主がそう告げ、鐘つきが始まった。
50分か……
――ゴーン…………
鐘の音が、寒空に響く。
「唯?」
「何?」
「ぁ、いや。何でもない」
「…?」
あまりに静かだったから少し気になった。
「年明けるねぇ」
「そういえばそうだな」
「一年ってあっという間だねぇ」
「だな」
確かにあっという間だった。
今年はいろいろあったなぁ~……
5月の終わりに告られて………
まぁとにかくいろいろあった。
今思うとホントにいろいろ………
「颯君。もうすぐ年明けるよ」
「ん?あぁ」
気付いたらもう58分。
しばらくするとカウントダウンが始まった。
最初のコメントを投稿しよう!